まさにアート作品！AIR FORCE 1 アースデイ 写真レビュー

ナイキの代表的な一足として多くの支持を集めるAIR FORCE 1。
今回3モデルがリリースされたEARTH DAYコレクションは、1970年にアメリカのG・ネルソン上院議員によって4月22日に宣言されたアース・デイ(地球の日)をテーマとしており、それが地球環境へ関心を持ってもらうための呼びかけへとつながり、現在もそのムーブメントは続いている。
このモデルはその世界観をロサンゼルスのデザイナーでアーティストのスティーブ・ハリントンとのコラボレーションで表現。
持続可能性をテーマにしているため、素材の50%以上レザー繊維で構成するFlyleatherという素材を使用しており、本革のような質感を実現している意欲作だ。
随所にテーマに沿ったアートが施されたポップな一足をチェック。

まずはボックス。
アーティストが手掛けたデザインはスニーカーに留まらずボックスにも広がる。
今回のコレクションに登場するキャラクターが随所に描かれ、中心部にはリサイクルマークをヤシの木と絡めたアートが。
スニーカーを保護する包装紙にも凝ったプリントがされ、通常にエアフォース１と同価格ながらこうした演出は嬉しくなる。
また、ボックスの表だけでなく、裏面にもフライレザーを使用している事をアピールする印字がされ、環境意識をテーマにしたモデルである事を伝えている。

そのため、ボックスと並べると部屋に飾っておいても絵になる雰囲気。
スニーカー単体ではなく、トータルで一つのアート作品として考えられているようなポップさを感じる。
ボックスも含めてコレクションしているスニーカー好きの人にとっては嬉しい仕様。

そして外観。
エアフォース1のベーシックともいえる全面ホワイトに、スウッシュやミッドソールなどのパーツを飛び越えて作品が描かれている。
まるで白いアッパーやミッドソールがキャンバスで、そこに大胆に描かれた大きさや配置がウォールアートような雰囲気を感じる。
正面から見ると通常のエアフォース１に近いホワイトが印象的なシンプルな外観だが、ところどころにアートピースが散りばめられている。
サイドはヒール以外のプリントが無く、外側の目を惹く印象とは対照的な見た目でバランスを取っているように感じる。

アッパーの使用は通常モデルとほぼ同じ。トゥ部分のパンチング(穴かけ加工)も健在。
フライレザーを使用しているモデルだが、表面の質感や手触りは良好だ。
アッパーにプリントされているキャラクターも印刷ムラなどが無く綺麗で、縫製が多く交差する場所にプリントされているにも関わらずズレもなく品質の高さを感じるポイント。
シュータン部分も左右で異なり、ヤシの木のようなキャラクターが描かれる。
前足部サイドのスウッシュもスティーブン・ハリントンのデザインを取り入れたディテールにこだわった仕様。

ヒールもシンプルな外観ながら細かいディテールが楽しませてくれる。
スウッシュは左右で異なるカラーで、こちらもサイドと同じディテールを取り入れている。
ヒールの内側にもワンポイントのキャラクターのみのシンプルなアクセントが入る。
そして、インソールも左右で異なるスペシャルなデザインがプリントされる。
シンプルな外観だけに、インソールがひそかに存在感を主張している。

ソールもアッパーと同様に左右で異なるカラー。クリアがかった色味が鮮やかさを演出している。
こちらもアッパーに描かれている地球のカラーを取り入れている。
そしてプリントはミッドソールにもまたがって配置されている。アッパーの縫製から異なる素材であるラバー部分まで飛び越えて、まるで壁面に描かれたストリートアートのような雰囲気だ。
こうした遊び心は新しい試みだと感じた。

そして、ホワイトのアッパーとシューレースが爽やかなモデルには、ブラックとブルー(やや紫がかっている)のシューレースが付属している。
ボックスもこだわり、シューレスまで付属しているのでお得感もある。
ちなみに各カラーは１本の実の付属なので、こちらもアシンメトリー仕様となる。
ホワイトと組み合わせるのもありだと思う。
左側のグリーンに近い色味のシューレースを探してみるのも面白そうだ。

AIR FORCE 1 EARTH DAYコレクションは地球環境への注目をアートを通して呼びかけるメッセージ性があるが、一つのスニーカーとしてもとても面白い。
爽やかな白いアッパーの中に斬新なプリントのインパクトがあり、飾っても履いても楽しめる一足だと感じた。