DUNK LOW PLUM 19年前の原点のディテールに迫る
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1985年に米国の名門校のカラーを取り入れて登場したNIKE DUNK。
その後の沈黙の後、1999年に復刻を遂げカラーを反転させたモデルが組み合わせてリリースされた通称「裏ダンク」がナイキジャパン企画である「CO.JP(コンセプトジャパン)」として日本市場を皮切りにスニーカー市場全体の活況に貢献した。
そんな数ある名作が生み出された時期の中から2001年に“Ugly Duckling”パックの1モデルとしてリリースされたモデルが19年ぶりに復刻の運びとなった。
2011にはハイカットでSB(スケートボード)からリリースもされたが、今回はローカットで当時のディテールを再現。
時代を経てアップデートされた部分もあるが、当時を懐かしむ人や初めてのダンクを経験する人にとっても新鮮なモデルとして受け入れられ、多くの注目の中リリースとなった。
そんな注目の一足の原点となった、2001年に発売されたNIKE DUNK LOW PLUM(ナイキ ダンク ロープラム) OG(オリジナル)モデルのディテールをUNDEFEATED原宿明治通りからお届け。
店舗の外観はスペシャルなモデルの発売を祝う、UNDEFEATED恒例のポップアップの外観にデコレーションされている。
SNKRSでも「公式初見」という(やや不自然な)言葉で紹介されたコピーは「初回復刻」となっている。
ここでもNIKE DUNKの躍進の大きく貢献したCO.JP(コンセプトジャパン)の文字が強調されている。
店内に入ると、スニーカーウォールの上部には「アンディフィーテッド」と「ナイキ」の提灯が並ぶ。
ナイキとの強い関係性を感じるスニーカーショップの一つとして、趣向を凝らしたポップアップもUNDEFEATEDに訪れる楽しみの一つ。
店頭のショーケース内には2001年に発売された正真正銘のNIKE DUNK LOW PLUM OGがディスプレイされている。
これは、なんとナイキジャパンの所蔵品を持ち込んでいるもので、WEBでも実物を見る事は少ないが、現物を目にする事が出来る貴重な機会だ。
勿論ボックスも健在。
全体を見てみると、時間の経過もあり色味などは薄くなってきているのもあるが、当時のモデルの方が抑え目の色味になっていた印象。
ソールの造形やスウッシュの大きさなどの基本的な部分は復刻モデルと大きな違いは見られない。
非常に綺麗な状態の物だが、わずかに使用感がありその部分も含めて当時のモデルから時間の経過を感じる事が出来る。
細かい部分をチェックするとアッパーの素材使いは異なっているように感じる。
スエードなのは共通だが、復刻モデルよりも柔らかな素材が使われ、足馴染みが良さそうな質感。
復刻モデルはパリっとした厚みやハリがあり、当時のディテールを厳密に再現している訳ではないが、アップデートされた部分と捉える事も出来る。
スニーカーの宿命として、経年劣化は避けられない問題だが、ミッドソールがポリウレタンではなくラバーを使用しているDUNKは実質劣化してしまっても(気を付ければ)履く事も可能なモデルなので、20年近い経過でも外観を保っている。
また、シューレースは復刻されたものよりもボリュームと幅がある物が使われている。
同じカラーのシューレースを探すのは難しいかも知れないが、当時のディテールを再現したい人は、この辺りをカスタムしてみるのも面白そうだ。
ボックスは当時の通常モデルに使用されていたボックスと思われるものがディスプレイされている。
復刻モデルは現行のモデルに多く使用されている赤箱となっており、ボックスを含めてコレクションしている人にとっては相違点と感じられるポイント。
箱のくたびれ具合も当時からの時間の流れを感じさせる味になっているのでは。
ちなみに、ボックスの表記からディスプレイされているDUNKはUS6(24cm)と小さめのサイズだが、見た目のバランスの良さを感じさせるのはDNNKの美点ではないだろうか。
モデルによってはこのサイズになると前後に詰まった印象を感じるものもあるが、均整の取れたフォルムをキープしている。
UNDEFEATEDではNIKE DUNK LOW PLUMの発売に合わせて、オリジナルアパレルも展開される。
“THE DUNK WAS BORN IN 1985 AND IS ONE OF THE GREATEST SNEAKERS OF ALL TIME””のテキストとアンディフィーテッドのアイコンでもあるU MANが「DUNK」のUに重なって配置されるなど、NIKE DUNKの歴史を文字の大きさや配置などをグラフィックの遊び心で表現したアイテム。
こちらも生地の色とプリントが各2種類の4モデルが展開されており、今後も展開が予想されるDUNKシリーズとの相性はピッタリ。
ブランドとのコラボレーションやNIKE SBなど、様々な切り口でリリースが続くNIKE DUNK LOWの歴史を語る上では欠かせないCO.JPモデルの復刻は大きな注目を集めた。
当時を懐かしむ人は勿論、新たにDUNKと接点を持つ人にとっても、是非店頭に足を運んでOGモデルのディテールを確かめてみてほしいと感じた。
復刻モデルを手にした人は当時のディテールと復刻モデルを細かく見比べてみるのも面白いのでは。
【このポップアップが行われた店舗】
UNDEFEATED HARAJUKU MEIJI DORI (アンディフィーテッド 原宿明治通り店)