試作品を具現化! INSTAPUMP FURY BOOST “prototype” フォトレビュー
リーボックを象徴するモデルの一つとして絶対的な存在感を発揮する「INSTAPUMP FURY」。
スニーカーデザインのレジェンド、Steven Smith(スティーブン・スミス)氏により生み出された名作は25周年を迎えた今でも多くのスニーカーファンを惹き付けて止まない。
そんな名作にアディダスの革新的なテクノロジーとして知られるBOOST(ブースト)フォームを組み合わせた、衝撃的な一足がデビュー。
今作はファーストカラーとして知られる「シトロン」が生み出される前の、モックアップ的な試作品をモチーフにしたカラーがファーストモデルとしてリリースされた。
atmoscon vol.7で限定50足が全世界先行販売され、足数の少なさからも話題になった一足のフォトレビュー。
ボックスの質感はポンプフューリーOGなどにも使われるリーボッククラシックのものと近い。
しかし、大きさは一回りサイズアップし、リーボックとアディダスのダブルネームがシルバーに輝くプリントでスペシャル感を演出。
両ブランドのロゴやストライプがクリアでプリントされていたり、随所に名作のコラボレーションである事をアピールするディテールが施される。
シックな外側とは対照的に、ボックスの内側はポップなカラーリング。
こちらもリーボックのロゴとアディダスの「BOOST」のロゴが大きくプリントされる。
こうしたディテールもコレクション的な要素やディスプレイする楽しみがあり非常に嬉しい仕様。
そしてスニーカーを保護する包み紙もスペシャル仕様。
こうした限定モデルには良く見られるディテールだが、両ブランドのテクノロジーの歩みやアプローチ、企画の際のスケッチ、「CREATE UNEXPECtED」などのキャッチコピーが並び、かなり凝った作り。
特にリーボックのデザインや技術の粋を集めたスペシャルチームである「RAC(ラック:Reebok Advanced Concepts)」のロゴが描かれていたり、ファンにはたまらないポイントが詰め込まれている。
次回作以降も同じ仕様かは不明だが、手に取った人は是非広げて楽しんで見てほしい。
そしてINSTAPUMP FURY BOOST “prototype”の外観。
全体的にボリューム感のあるフォルムとなっている。アッパーとミッドソールの色味も膨張色なのでさらに膨らんで見えるのかも知れない。
ネイビーとオレンジの組み合わせはポンプフューリーの後継モデルとしてリリースされた「INSTAPUMP FURY ROAD(インスタポンプフューリー ロード)」で人気を博したオレンジカラーのモデルを彷彿とさせる。
そこにクリーム色がかったメッシュ部分を引き締めるようにブラックのダブルネームロゴがプリントされたストラップが装着されている。
アッパーのエアチャンバー部分のネイビーはatmosconでのスティーブン・スミス氏のインタビューでも語られた通り、テニスシューズの試作を行っている際の生地を流用したもの。
ホワイトの生地は入手性の高い生地を使用した結果、ホワイトの生地が選択された。
今回再現に使用された素材は、アディダスのスニーカーにも使用されている伸縮性のあるニット素材のような生地が採用されている。
(推測だがアディダスの生地を流用した方が機能面でも確実だし、コラボアイテムとしては嬉しいディテールだと思う)
ヒールにはオレンジとネイビーの2色で「PUMP」と「BOOST」のロゴが刺繍される。
ヒール部分のサポートパーツはインスタポンプフューリーOGと同様の柔軟性のあるプラスチック素材。
ポンプ部分はホワイトに同じホワイトで「Insta pump」のロゴ。作品の雰囲気を演出している。
履き口の素材はやや起毛感のある素材。OGのライクラ感のあるナイロンとは異なる仕様だ。
インソールやシュータン部分も特別感がある。
左右それぞれに「REEBOK PROTOTYPE」、「ベクターロゴ | BOOST」のプリント。
買ったら履くコレクターはこのインソールは外し、別のインソールに差し替えて保存しても良いかもしれない。
(履かずに丸ごと保管するという人もいるはず)
シュータン内側にも「CONFIDENTIAL(機密)」のプリントが施され、製品が世に出る前の試作品を再現したディテール。
そしてポンプフューリーのアイコニックな意匠となる2分割された「スプリットソール」をアディダスのブーストフォームで成型している。
立体的なソールの形状をBOOSTで再現するだけでも難易度が高そうだが、見事に再現しているのは両ブランドにファンにはかなり嬉しいはず。
(OGとの比較記事は別途掲載します)
実際に現物を合わせて比較してみたが、かなり緻密に形状が再現されている。
本来リーボックのクッショニングシステム「HEXALITE(ヘキサライト)」が搭載されるヒール部分はハニカム上の凹凸がある外枠のみのラインとなる。
本来あるはずのディテールが省かれる事と、ブーストフォームの発泡スチロールのような質感を相まって、更にプロトタイプの雰囲気を感じる事が出来る。
(発泡スチロールと表現したが密度を感じる仕上がりで、チープな感じにはなっていない)
アウトソールもアッパー同様にアイボリー調のホワイト。
この部分がブラックでも精悍な印象になりそうだが、ホワイトの方が未完成な感じになる気がするので良いポイント。
ポンプフューリーのスプリットソールと併せて存在感を発揮する中足部のカーボンシャンクもホワイト。
ここがプレーンなプラスチック感のあるホワイトだとかなりプロトタイプな感じになりそうだが、カーボンシャンクじゃないと少し寂しい気がするしチープになりそうなので、光沢のあるホワイトの中にしっかりカーボンの織り柄がある。
そして後に続くモデルにも採用されているダブルネームのストラップだが、これはゴムバンドなので簡単に着脱できる。
「分かる人には分かる」リーボックとアディダスのコラボレーションだが、ストラップで分かりやすくアピールしている側面もあると思う。
数あるポンプフューリーの中には同様のストラップを装備したモデルも存在するが、本来のポンプのフォルムを楽しみたい人やプロトタイプ感を楽しみたい人は外すのもアリかもしれない。
ストラップがある状態でも、味方によっては試作の管理ラベルのように感じるし、プレーンな色味の中にブラックのラインで引き締める効果があるような気もするので、気分や好みで楽しめるポイントと感じた。
最後に唯一の付属品であるキーホルダー。
「PUNP」のオレンジロゴとプレーンな「BOOST」ロゴがそれぞれの面に刻印される仕様。
保管しても良いし、キーホルダーとしても楽しめるデザインになっている。
アディダスはリーボックの親会社という関係性があるので、今回のコラボレーションは自然な流れかもしれないが、シューズメーカー同士のダブルネームは非常に珍しい。
表に出る事の無かった「プロトタイプ」を具現化したモデルはこれまで存在せず、「Instapump Fury BOOST」のファーストカラーとしても、ポンプフューリー25周年を記念した節目のモデルとしてもふさわしい記念碑的な一足だと感じた。
今後リリースされるポンプフューリーのファーストカラー(シトロン)や、ウルトラブースト1.0を再現したカラーリングの次回作も非常に楽しみだ。
25周年の後半にも話題が尽きないポンプフューリーはまだまだ目が離せない。
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