シャネルの世界観を凝縮!マドモアゼル・プリヴェ展
パリ・カンボン通りにある、シャネルのクリエイションスタジオの入り口に掲げられた看板に書かれていた言葉「MADEMOIDELLE PRIVE」を冠した、シャネルのデザインクリエイティブの源泉に触れる事が出来る展覧会「マドモアゼル・プリヴェ展」。
メゾンの精神を体現した常に新たな境地を切り開いてきた「オートクチュール」、1912年に誕生し現在もブランドを象徴するフレグランス「シャネルN°5」、1932年にマドモアゼル・シャネルがデザインした「BIJOUX DE DIAMANTS(ダイヤモンドジュエリー)」という3つの創造性の原点に迫る展覧会はロンドン、ソウル、香港、上海に続いて東京が5都市目の開催となる。
上記の全てが創造性を発揮するための対話や確かな技術、シャネルが理想とする美しさの探求をバックボーンに生み出された、世の中に革命を起こす商品となり、これまで多くの人に愛され続けてきた。
そんな3つの要素をシャネルのアパルトマンの色調をベースにした5つのカラーとしてエリア分けされた会場内の様子を色ごとにご紹介。
会場には「シャネルN°5」の香りが広がり、五感でブランドの空気を体感する事が出来る。
彼女が過ごした空間の中にも多く用いられたベージュ。
ビーチの濡れた砂など、休暇を思い起こさせる色でもあり、シャネルのオートクチュールやフレグランスのケース、そして製品名にまでも用いられた色だ。
展示では数百時間をかけて製作されたものや2000時間を超えるまさに「労作」ともいえる珠玉の作品が展示されている。
シャネルが友人を招き入れたのは漆黒のダイニングルーム。
シャネルの先の時代を見通す視点や近代性を体現する色としてもブラックは様々な場面で用いられてきた。
喪を表す色や男性的な色として受け止められていた色を、女性のファッショに取り入れ、10年以上をかけて世の脚光を浴びるまでの地位を獲得したブラックは現在では多くのファッショに欠かせない要素となっている。
こちらも想像を絶する時間をかけて仕上げられたオートクチュールのコレクションや165時間をかけて製作されたブローチ、ブラックのラインがホワイトのボックスにいれられたフレグランスなどが展示される。
レザーで製本された書籍や置時計など、レッドや深紅で色調が統一された空間に仕上げられたライティングデスク。
彼女が「生命と血の色」と表現し愛したカラーがレッド。
シャネルが身に着ける事が多く、全体のアクセントにもなり、時には主役にもなるブランドを代表するカラーの一つだ。
「シャネルN°5」のプロモーションにも頻繁に用いられた色としても知られる。
こちらも見えない部分に至るまでこだわり尽くし、他の色と同様に膨大な時間が費やされた作品が並ぶ。
彼女のアパルトマンには数多くのゴールドに包まれたオブジェが見られ、寒さが苦手なシャネルのために火が絶やされずに空間を温めていた暖炉もゴールドの装飾に包まれていた。
幼少期から大人になるまで、様々なアートや建造物などから受けたインスピレーションにはゴールドが含まれ、まさにインスピレーションの源となるカラー。
フレグランス「シャネルN°5」の煌めきにもゴールドが高級感をそえている。
そしてシャネルの生み出した様々な作品やアイテムのデザインソースとなったスケッチやアートピースなども数多く展示される。
こちらも5つのカラーがそれぞれの作品に反映されており、どの色もシャネルというブランドを体現する上で欠かせない色である事が伝わってくる。
ちなみにホワイトもブラックと並んでシャネルを象徴するカラーであり、全てを含んでいる色として語られている。
彼女のアパルトマンの階段の踏み板にも用いられたホワイトの展示は是非会場に足を運んで確かめてみてほしい。
こちらは来場者に配布されるノベルティのキャンバス製のケース。
マドモアゼル・プリヴェ展のビジュアルにもなっているグラフィックがプリントされ、中には展示内容とシャネルの世界観を説明する冊子が入っている。
来場後の余韻を蘇らせてくれるこちらにも目を通して楽しんで見ては。
読み応えのある内容でこのケースと冊子がもらえるのはとても満足感が高い。
シャネルのラッキーナンバーは「5」。そして今回の開催も世界で5番目となる。
シャネルを愛する人、興味を持った人にも是非その世界観を体感してほしいイベントだと感じた。