幻想的な麺のカーテン!名店に愛される23区唯一の製麺所 江戸玉川屋の麺造り
うどんや蕎麦、ラーメン、パスタなど多くの人に親しまれ、胃袋を満たしてきた様々な麺」。
麺類を作る数ある製麺所は全国に数多く存在するが、東京23区に存在する製麺所は現在はただ一つ。
王子駅、王子神谷駅からほど近い、豊島中央通り商店街の中にある「江戸玉川屋」は量産を主眼に置いた多くの製麺所とは異なる「効率の対極にある麺づくり」を大切にする数少ない製麺所。
手間や時間を掛け、生産効率よりも品質を重視する姿勢から生み出される数々の製品は、新嘗祭(にいなめさい)の奉納用のうどんとして認められ、有名ラーメン店を営むプロフェッショナルはもちろん、学校給食の指定工場として認定を受けるなど、日々の食生活にも根付いている。
そんな東京の地場産業として製麺を続ける江戸玉川屋には普段は見る事が出来ない美しい「麺のカーテン」が存在する。
圧巻の光景となる前の製麺の様子や、手間暇かけて生み出される魅力的な商品などと併せて、その様子をご紹介。
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江戸玉川屋の麺づくりは美味しさや食感などを追求するために、多くの製麺所が省いてしまったり簡略化してしまう工程に手間を掛けるのが特徴。
その一つが「湯捏(ゆごね)」と呼ばれる工程となる。
92度以上の熱湯で原料となる小麦を捏ねる事で、滑らかさやコシという麺の大事な要素を引き出している。
温度や湿度を一日に何度も確認しながら職人の手によって仕上がり具合を確かめ、高い品質を保っている。
手間が掛かり技術も求められる作業で仕込まれたそぼろ状の原料を、延圧という工程でゆっくりと絹のような質感の状態に引き延ばし、麺の基礎を作り上げている。
繊細に引き延ばされた素材を麺に最適な幅にカットして乾燥工程に運ばれる前の様子。
小麦の食欲をそそる色合いの麺がゆっくりと吊るされながら流れていく。
このまま手に取って食べてしまいたくなる質感だ。
使用される材料の小麦粉にも高品質な物が使用されるのは言うまでもないが、素材の良さを最大限に引き出すのは職人の経験や技術、そしてそれを最大限発揮するための手間暇を惜しまない工程によるもの。
いよいよ紹介する美しい「麺のカーテン」と言われる光景を生み出す乾燥工程も麺の美味しさを引き出す重要な工程となる。
丹念に作り上げられた麺は、この乾燥工程を経て完成される。
広々とした空間に、時間を掛けて製造された麺が運び込まれて生み出される光景はまさに圧巻。
麺の一本一本が太陽の光で綺麗な小麦色に輝く様子は幻想的な光景だが、高品質な麺を生み出すための工程であり、普段はなかなか目にする事が出来ない景色。
この乾燥工程も通常であれば6時間程度で完了する事が多い中、江戸玉川屋ではその4倍相当の24時間を掛けて行われる。
熟練の職人によって、その日の条件に合わせて乾燥のさせ方を調整しながら仕上げられる手間が、湯捏と合わせて、喉越しの良さやもちもちとした食感など、うどんなどの麺には欠かせない美味しさにつながっている。
太陽の光を浴びて輝くうどん。
一目見ても美味しさが伝わってくる質感だが、実際に食べてみてもその印象は変わらない。
口当たりの良さや小麦の香りや風味が口の中に広がる、食べる楽しみを感じさせてくれる逸品だ。
そんな圧巻の光景とともに完成された、うどんをはじめとする江戸玉川屋の麺類は、製麺所の表通りに面した直売店で購入する事が出来る。
プロも認める品質の商品を気軽に購入する事が出来るので、麺好きにはたまらない空間。
代表的な商品である「満作うどん」はここまでに紹介した「効率の対極にある麺づくり」によって、東京都地域特産品に認証されている。
乾麺とは思えない喉越しやモチモチの食感が印象的なうどんをはじめとした乾麺は、有名ラーメン店でも採用されている。
自家製麺を標榜する店舗も多く見られる中、スープづくりに専念し、麺づくりは江戸玉川屋のようなプロの作った物を使用するのがベスト、という考えのラーメン店にも信頼されている。
そんな品質に定評のあるラーメンは、「ハローキティ」などとコラボレーションしたユニークな商品にも生かされている。
麺もスープもピンクという「東京ピンクとんこつラーメン」は味覚だけでなく、視覚でも楽しませてくれる。
パッケージのデザインも洗練されており、贈答用としても喜ばれそうだ。
見た目でも食欲をそそる生麺を手に取って購入出来るのは直売店ならでは。
賞味期限は乾麺と比べて短くなるが、生麺特有の美味しさを楽しみたい人は是非足を運んで堪能してみてほしい。
また、麺に最適なつゆやスープも販売されている。
スープを自作するのは手間がかかるが、麺と一緒にスープも揃っているので、本格的な味を気軽に楽しむ事が出来る。
昭和10年の創業当時から80年以上、良い物を生み出す姿勢を追求し続ける江戸玉川屋。
東京から発信される高品質な麺はプロはもちろん、日々の暮らしの中にも根付いている。
麺類に目が無い人は勿論、食にこだわりを持っている人も、魅力的な商品に思わず手が伸びてしまうはず。
昭和の面影を残す豊島中央通り商店街に佇む、江戸玉川屋に美味しい麺を求めて是非足を運んでみてほしい。
【江戸玉川屋】
〒114-0003
東京都北区豊島7-5-12
直売店の営業時間:10:00~17:00
電話番号:03-3913-5705
江戸玉川屋へのアクセス (Google Mapが開きます)
最寄り駅:東京メトロ南北線王子神谷駅、王子駅 JR王子駅
【動画でも様子をチェックしてみて下さい】