まさにハイブリッドなスニーカー!KEEN UNEEK Ⅱ CONVERTIBLE X “mita sneakes”
タウンとアウトドアフィールドで活躍するスニーカー「JASPER」やサンダルに爪先の保護性能を持たせた「NEW PORT」など、アウトドアシーンを中心としたフットウェアを幅広く展開するKEEN(キーン)。
エポックメイキングなプロダクトを個性的なデザインに昇華したスニーカーやサンダルは、近年ではファッションシーンでも高い注目を集めている。
そんなKEENの革新性を体現する取り組みとして2014年に登場した、2本のコードとソールで構成されたシンプルかつ革新的な「オープンエアスニーカー」というコンセプトを掲げた「UNEEK」が10年の時を経て、新たなギミックを搭載した「UNEEK Ⅱ CONVERTIBLE X(キーン ユニーク ツー コンバーチブル テン) 」としてアップデート。
今作は国内を代表するスニーカーショップの一つ「mita sneakers(ミタスニーカーズ)」のクリエイティブディレクター、国井栄之氏がディレクションした意欲作。
その機能性やディテールなどを詳細にご紹介。
【チェックしたい項目に移動出来ます】
・ボックス
・外観
・ハイブリッドなコンバーチブル仕様
・細部・ディテール
・サイズ感・フィッティング
・ソックスとのコーディネートで変わる表情
ボックス
ボックスには「TYO X NYC X LDN」の文字が大きく掲げられる。
国井氏は各都市を象徴するコンセプトを持つブランドやショップとのコラボレーションする、シティアタックのような企画を提案したという。
NYC(ニューヨーク)ストリートカルチャーと深い関わりを持つブランド、LDN(ロンドン)はファッションの流れに精通するショップ、そしてTYO(東京)は世界のスニーカーブームの火付け役となった日本のスニーカーシーンを体現するショップとして、ミタスニーカーズとのコラボレーションが実現。
そんな経緯とコンセプトを表現したボックスの内側にもUNEEKの「MADE WITH TWO CORDS AND A SOLE」のメッセージや、製法などが描かれ、KEENを代表するモデルである事が表現されている。
外観
ボックスにも描かれている2本のコードとソールで構成されたアッパーは、手編みも出来るほどのシンプルな造りだという。
サンダルの軽快さや快適性を持ちながらも爪先を保護しつつ足をサポートする、機能美を備えた建築物のような外観は「オープンエア・スニーカー」という既成概念を打ち破るプロダクトは、これまでに数々の革新的なモデルを生み出してきたKEENの理念を具現化していると感じた。
同ブランドのNEWPORTの爪先のプロテクション性能を、より軽快でシンプルな外観で実現し、アウトドアフィールドのみならず都市生活にも溶け込む一足となっている。
ミタスニーカーズの別注モデルでは全面をブラックに染め上げ、スニーカーとして取り入れやすいビジュアルが印象的。
アウトソールもストリートにもマッチしやすいブラックとホワイトのツートンカラーとなっている。
モノトーンながらもコントラストを感じる配色は、スポーツスタイルやストリートスタイルは勿論、モードな着こなしにも爽やかさをプラスする事が出来そうだ。
屈曲時に現れる微細な溝をレーザーサイピングという加工で施している点は、水はけ性能やウェット時のグリップなどにも効果を発揮しそうだ。
KEENらしく、アウトドアでの遊びなどでも活躍してくれる機能性もしっかりと確保されている。
ハイブリッドなコンバーチブル仕様
そして今作の肝とも言えるギミックとして、スニーカーとしてだけでなくスライド仕様としても楽しめる、ヒールカウンターを上下に動かせる構造が採用された。
これはUNEEKを製造するロボット「UNEEK BOT(ユニーク ボット)」の製造上の都合でヒールカウンターが可動式となる意匠を、国井氏が盛り込む事を提案した事によるもの。
この構造によって、スニーカー、サンダル、スライドの機能やメリットを全てカバーした多機能なモデルを生み出すことに成功した。
履いた際のビジュアルやスタイリングもその時の用途や気分で切り替える事が出来るのはとても魅力的だ。
ヒールカウンターを甲の部分に移動させた際に、バンジーコードのシューレースの先端を差し込む事で固定され、スライドとして常用する際には便利だと感じた。
キャンプやフェスなどの場面ではテントを頻繁に出入りする事もあり、スライドの手軽さが重宝する際などには便利なはず。
細部・ディテール
ディテールをチェック。
MADE WITH TWO CORDS AND A SOLEを体現したシンプルな構造と機能美による洗練されたアッパーは、見た目だけでなく足の形に追従してくれる機能性も併せ持つ。
この点はスニーカーにもサンダルにも無い、UNEEKの唯一無二のメリットだ。
フットベッドには天然コルクを採用。
吸汗性能や速乾性、防臭効果などの機能を実現する天然素材は、サステナブルであると同時にKEENの高い技術力が窺える。
これは2016年に別注モデルをリリースした際には実現出来ず、高機能なマイクロファイバーにコルクの模様をプリントしたものから、リアルのコルクにアップデートし製品化されている。
素足でもソックスでも足当たりが良くリラックス出来る履き心地な上、芯材にはクッション性のある素材が用いられ、歩行時にもスニーカー同様のクッション性や快適性が感じられた。
KEENのブランドロゴもアッパーと同色のブラックで刺繍されている。
UNEEKの個性的かつ洗練された外観でKEENと分かるデザインに、主張を抑えたロゴで様々な着こなしに取り入れやすくなっている。
コルクのフットベッドだけでなく、ヒールカウンターやシュータン部分にも肌触りの良い素材が使われている。
素足でもソックスでも長時間快適に履き続けるには重要なポイントだ。
サイズ感・フィッティング
サポート性を感じさせる甲の部分と、伸縮性のあるバンジーコードのシューレースによって、高いフィット感と調整幅が確保されている。
足への追従性を高めて歩行性能をアップさせたり、リラックスした履き心地にするなど、履き心地にも変化をつける事が出来る。
サイズ感は普段のスニーカーと同じサイズが丁度良いと感じた。
筆者はNIKEのAIR FORCE 1でUS9(27cm)、AIR MAX95はUS9.5(27.5cm)を着用しているが、本モデルはUS9(27cm)で近いフィット感という印象。
KEENの中ではタイトなサイズ感で、素足がメインならハーフサイズダウンでも良いかもしれないが、スニーカーと同じサイズを選ぶ事でスリーシーズン楽しめるメリットを選択した。
アッパーの甲はやや低め。調整幅は広く、甲が高い人もシューレースを緩める事で十分に調整が出来るはず。
バンジーコードの伸縮性と相まって高いフィット感だ。スライドでもソールの屈曲性と相まって歩きやすい。
ソックスとのコーディネートで変わる表情
オープンエア・スニーカーのコンセプトが活きてくる場面は、機能性に留まらずソックスとのコーディネートが楽しめる点にもあると感じた。
ここからはソックスとの組み合わせをご紹介。
スニーカーに合わせる派手目な柄物のソックスも通常のスニーカーのように足の部分が隠れる事なく、そのデザインを存分に目立たせる事が出来る。
ブラックのソックスでは、アッパーのブラックとの統一感が高まり、よりスニーカーらしい雰囲気を感じる事が出来る。
定番の白いソックスとの組み合わせでは、UNEEKのコードを編み込んだデザインを引き立たせる事が出来る。
軽快な足元の演出にも一役買ってくれるはず。
様々なカラーのソックスを合わせる事で気分に合わせて見た目を変化させられるのは勿論、パンツやトップスとのコーディネートの幅も広がり、様々なコーディネートに対応。
ソックスと合わせるスニーカーの醍醐味も持ち合わせている点は、スニーカー好きにも非常におススメ出来るポイントだ。
コンバーチブル仕様のヒールカウンターに始まり、コルクのフットベッド(インソール)など、国井氏がUNEEKの誕生10周年という節目に実現したいコンセプトがふんだんに盛り込まれた「KEEN UNEEK Ⅱ CONVERTIBLE X」。
「オープンエア・スニーカー」の魅力を、スニーカー、サンダル、スライドとクロスオーバーして堪能出来る意欲的な「逸足」だと感じた。
是非これからのシーズンの足元に取り入れて、その魅力と熱気を感じ取ってみてほしい。