“レジェンド” スティーブン・スミス氏が語るInstapump Fury Boost誕生秘話
atmoscon(アトモスコン) vol.7で50足限定の先行販売で話題を呼んだ「Instapump Fury Boost」。
リーボックのポンプテクノロジーとアディダスのウルトラブーストを合体して生み出された、テクノロジーを結集して生まれた一足。
Reebokブースでは同モデルにフォーカスした展示を行っていたが、そんな会場内にポンプフューリーの生みの親にしてスニーカーデザインの世界ではレジェンドとして知られる、Steven Smith(スティーブン・スミス)氏が登場!
ポンプ誕生25周年という節目でもあるが、OGモデルの2色(シトロン・サックス)が発売された4月に来日しているにも関わらず、半年後のアトモスコンに登場してくれたことからも、リーボックの熱意を感じる。
そんなスティーブン・スミス氏のインタビューの様子をお届け。
インタビューの前に話題のモデルを紹介。
「インスタポンプ フューリー ブースト」の名前の通りポンプのアッパーにブーストフォームで構成されたミッドソールを搭載。
同モデルのアイコンの一つともいえるカーボンシャンクで分割されたブーストフォームのビジュアルも新鮮だ。
カラーリングも「prototype」となっているだけにプレーンなホワイトメッシュにブルーとオレンジのポンプというシンプルかつクリーンな外観。
ブーストフォームの発泡具合も偶然かもしれないがプロトタイプ感を演出しているように感じた。
リーボックブースの展示では、同モデルが誕生する経緯が分かるような展示となっている。
ポンプフューリーのファーストカラー「シトロン」のPROTO 94(1994足限定販売)とアディダスの「ULTRA BOOST 1.0 OG」が両サイドに配置され、二つのスニーカーの機能に革新をもたらした「OGモデル」が融合した一足であることを強調している。
そんな展示ブースで開始したスティーブン・スミス氏のインタビュー。
今回中央に展示されている「Instapump Fury Boost “prototype”」のカラーリングのソースはどこから来たのか?
という問いには、ポンプフューリーのデザインを最初に原型として製作した「試作品」のデザインとカラーリングを今回のモデルに採用したとの事。
そして、この試作品のカラーリングは同時期にテニスシューズのデザインの際に使用してたブルーの素材や、調達しやすいホワイトのメッシュ生地などで製作した結果、このカラーリングになったという。
(※下段スライドの4枚目にReebok 90’s houseで展示されていた時の様子があります)
これまでに多くのカラーをリリースしてきたポンプフューリーの「本当の原点」のデザインが具現化したことになる。
そして「Instapump fury “prototype”」のリリースにあたり、特別なコラボレーションのために「特別で新しくて限定感のある」ものを作りたいという事でこのデザインでリリースされたとの事。
また来場者の質問に答える中でポンプフューリーが形になるまでの秘話なども語られた。
これまでに見たことのないシューズを作るために、通常のスニーカーを作るための部品のサプライヤー以外、例えば医療用の素材や航空機のライフベストを作る工場、クッショニング素材のヘキサライトについてはヘリコプターの羽を作る会社から調達するなど特別なプロジェクトとなったことなどを明かした。
製造を断られそうになった事もあったという。
また、カラーリングについてもシトロンは子供の頃に買ってもらえ無かった、足が燃えているようなカラー(赤・オレンジ・黄色)のスニーカーのオマージュから誕生したものであり、会社からはサックスを提案されたものを議論を重ねてシトロンをファーストカラーとしてリリースしたエピソードなどを語ってくれた。
そして、シトロンが最高のカラーだが会社から要請されて作った落ち着いた色味のスケッチなどもあり、機会があればその中から新たにリリースしてみたいとも。これも実現されれば非常に楽しみだ。
充実したトークセッションの後も、ファンの質問やツーショットに快く応じていた姿が印象的だったスティーブン・スミス氏。
来場者の目を見て真剣に説明をする人柄も印象的だった。
スニーカーのデザインを職業として数多くのブランドから名作を生み出してきたレジェンドと、ここまで近い距離で時間を過ごす事が出来る貴重な機会となった。
これだけでもアトモスコンに来た価値があったと行っても過言ではないと感じたトークセッション。
新たにリリースされた「Instapump Fury Boost」の魅力を更に深めてくれる特別な時間となったはずだ。
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