OGと別注を見比べてみた。AIR MAX2 LIGHT atmosとブルーラグーン
1994年にリリースされたエアマックススクエアライト。ランニングシューズの機能性をマルチチャンバーエアで次の次元に押し上げ、クセのない爽やかなブルーが印象的なブルーラグーン。
翌年にリリースされたエアマックス95と比べると脚光を浴びたとは言えないモデルを、アトモスが別注モデルとして大胆なカラーウェイで構築し話題になった。
そんな二つのモデルを写真で比較レビュー。
そこには共通点と大きく変更された部分が混在する興味深い点があった。
当然ながら全体のフォルムは共通している。
エッジの利いた補強パーツは素材こそ違うが意匠は引き継いでおり、シュータンのロゴは微妙に異なるものの位置なども共通している。
しかし、OGモデルが補強パーツの白いレザーの他にメッシュやスエードなどの複数の素材を使用しているのに対し、全面をナイロンとし、原型を留めないレベルでパッチワークのようなアッパーを構成している。
補強パーツもプラパーツに置き換えられている。
アッパーにフォーカスしてチェックすると、補強パーツはそのデザインを忠実に再現している。
ナイロンのマルチカラーを魅せるために透明なパーツになっているので実際は同じモデルという前提がないと全くの別物にも見えるくらいの違いがある。
スウッシュの形や大きさ、位置は共通している。アッパーに余計なボリューム感が無く、すっきりとしたフォルムになっているところは同じスクエアライトだと感じさせるポイントだ。
トゥ部分はホワイトからブラックに置き換わっているが共通のパーツと言える部分。
シューレースプレートもOGから引き継ぎリフレクター仕様のものを採用している。
しかしOGのアイコンとも言えるメッシュ部分は完全に別物。ランニングシューズとしての機能を持たせた部分をデザインに徹して変更したのは、スニーカーショップの別注ならではといえるポイントだと思う。
エアソールユニットは変更するのが難しい部分なだけに大きな変更はない。
それでも窓の中のカラーはサイト、バックともにしっかり変更され後部にはスウッシュが追加されている。
サイドがオレンジ/ブラックからレッド/ゴールド、後部はブルー/ホワイトからブラック/ボルトに変更され、別注モデルはこの部分もマルチカラーを徹底している。
アウトソールのラバー部分もOGはアッパーのカラーを踏襲。別注モデルはパープルのフォアフットに薄いブルーのヒールとアッパーのマルチカラーの一部を採用しておりこの部分も凝っている。
ヒール周りも補強パーツとリフレクターで構成されている部分は、プラパーツで統一しデザインを再現している。
ランニングシューズには欠かせないリフレクターをナイロンのデザインを露出させるための大胆な変更だ。
そして履き口やインソールの素材もOGのメッシュのような表面から短い毛足のある素材になっている。
こちらも機能性を重視したものから発色や素材感を重視した変更なのではと感じる。
インソールにプリントされたロゴも異なっている。
しかし、ヒール周辺はビジブルエアやミッドソールの形状、ナイキロゴなど比較的共通点を感じる部分。
共通点とスペシャル感が混在する、比較すると面白い部分ではないだろうか。
様々な部分を比較して紹介したが、ソールは履き心地や形状など共通点を多く感じられる。
そしてアッパーは素材の構成やカラーウェイなどの見た目を大きく変えつつ、デザインの肝となる部分はスクエアライトの面影を感じさせるつくりとなっている。
しかし、機能性の面ではOGのメッシュやレザーの補強パーツをアトモスの別注モデルはナイロンやプラスチックに置き換え、デザインを最優先したモデルという印象。
やはり実際に履いてみるとアッパーも十分に足にフィットしてくれるし、歩いた時の軽快さも損なわれてはいないように感じる。
とはいえ通気性の面ではOGが当然勝る。その点はランニングシューズとして別注したのではなく、スニーカーショップがファッションアイテムとしてデザインやインパクトを追求した結果だと理解している。
こうして2足を並べてみると、両方がそれぞれの魅力を引き立て合っているように感じられるので、どちらも手に入れて良かったと思わせてくれる。
今回登場したブルーラグーンとアトモス別注モデル。それぞれ紹介しているので併せてチェックしてほしい。